2011年6月10日金曜日

  • 本醸造みりん(塩味醂)
  • 仕込み後1日目。これから熟成がはじまります。

    本醸造のみりん(塩味醂)を仕込みました。
    自家製で本みりん=本醸造のみりんを造ると、
    原料のお米などを自由に選べるのが嬉しいです。

    今回は自家製の麹と国産のもち米で、
    100%国産の原料での小仕込み。

    現在は、主に調味料として使われるみりん。
    昔は甘くて栄養価の高い飲み物だったようです。


    たしかにちょっと飲むと甘くて美味しい。

    みりん風調味料というのも最近でていますね。

    安くて手に取りやすいかもしれないのですが、
    みりん風調味料にはアルコールがほとんど入っていない
    みりんに類似した調味料です。

    そのため、アルコールによる風味はあまり期待できません。

    本みりんを調味料として使うことにより、
    上品で調和のとれたマイルドな甘みを
    調理効果としてえることができ、
    独特の芳香や深みのある
    コクや旨みを愉しむことができます。

    もちろん、みりんならではの
    照りやツヤで見た目にも美味しく、
    臭みを消したり、崩れの防止にも役立ちます。

    戦前までは贅沢品であった本みりん。
    意外と簡単に家庭でも最高級の本みりんを造ることができます。
    自家製マイ本みりん。おすすめですよ。

     材料 
    ・もち米  − 300g
    ・米麹 − 300g
    ・35度の焼酎 − 800ml

    ※焼酎はホワイトリカーでも、本格焼酎(乙類)でもOK。
     江戸時代は本格焼酎で仕込んでいたとのこと。
    ※通常はもち米の方が多いのですが、小仕込みなのでもち米・米麹同量で造ってみました。

    ※下記のル・パルフェの保存ビンにちょうどぴったりな分量で仕込みました。



     容器 



     つくりかた 
    (1)もち米2合を常圧で30〜50分。
    圧力鍋の場合25分ほど蒸す。炊飯器のもち米モードで炊いてもOK。
    ※蒸す、炊くいずれの場合も芯が残らないようにしっかり炊く
    (2)蒸し上げてあら熱をとったもち米に焼酎を注ぐ
    (3)(2)に米麹を混合し、瓶に入れて密封する。
    (4)1週間は一日おきに瓶ごと振ってかき混ぜ、
       2週間目に入ったら週に1回ほどかき混ぜる。
       香りの変化をみるために、たまに瓶の蓋を開けてみてもOKだが、
       できるだけ、アルコールを飛散させないようにする。
    (5)品温は20度以上を保ち、仕込み後50〜65日の間にさらしの袋などに入れて絞る。



     ポイントメモ 

    1. もち米を蒸す時には、蒸し布、さらし布などを一度濡らしてからそこにもち米を置き、蒸し始めると良い。
    2. 長時間蒸しすぎると蒸したもち米に色がつき溶けも悪くなる。
    3. 焼酎のアルコールが飛ばないようにしながら、酵素分解を促すために瓶を密封する。みりん醸造はこの段階では微生物による発酵は行われず、麹菌の産生した酵素によってもち米が糖化されることを利用して醸造する。
    4. 酒税法対策のために必ず重量の2%の加塩をする
    5. 酵素分解を促す30度で保温しながらの醸造がベターなので初夏くらいに仕込み始めるとGood。冬は酵素分解が進みにくいと思われる。
    6. 酒精があるため安全醸造が可能
    7. 櫂入れは初期のみでOK。徐々に液状化してくる
    8. 後期はアルコールにより酵素活性は少しずつ低下してくる。酵素活性が低下したあとは熟成という段階に入る。
    9. みりん粕はべったら漬に使用できるので、粕は捨てずに取っておく。

     金額 
    ¥200以下